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生涯旅人、賀曽利隆の旅日記 60代編

アドレス日本一周 west[63]

投稿日:2013年1月31日

大陸へと繋がる神の島

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 鐘崎漁港を出発。沖合いには地島と筑前大島。さつき松原の長い砂浜を右手に見ながらアドレスV125Gを走らせる。
 国道495号に合流し、すぐに右折して神湊港へ。ここから地島と筑前大島に船が出ている。筑前大島は以前は一島一村で、島全体が大島村だったが、平成の大合併で今は宗像市の一部になっている。
 神湊港から国道495号を横切って直進したところに宗像大社。ここは辺津宮になる。
 筑前大島にある中津宮と海岸から50キロ以上も沖合いの沖ノ島にある沖津宮、それとこの辺津宮の3社を合わせて宗像大社になる。日本各地に7000以上もある宗像神社、厳島神社、さらには宗像三女神を祀る神社の総本社になっている。
 宗像大社3社の祭神は沖津宮が田心姫神、中津宮が湍津姫神、辺津宮が市杵島姫神で、これら3神は「宗像三女神」といわれている。
 辺津宮・中津宮・沖津宮の3社を線で結ぶと、その線は朝鮮半島に向かい、その線上には釜山や大邱、ソウルが位置している。宗像は古来、九州と朝鮮半島、中国大陸との海上路の要衝の地で、とくに沖ノ島は重要だった。
 玄界灘に浮かぶ絶海の孤島の沖ノ島は、朝鮮、中国の歴代王朝との交易で栄えた。この島は島全体が宗像大社のご神体で、今でも女人禁制になっている。男性でも上陸前に禊を行なわなければ渡れないという。
 沖ノ島では昭和29年以来、10数年に渡って発掘調査が行われた。その結果、4、5世紀から9世紀頃までの石舞台や古代装飾品などの大量の遺物が発見され、「海の正倉院」と呼ばれている。
 沖ノ島で発見、発掘された銅鏡や金銅製の馬具、土師器、唐三彩、玉類、刀剣類の多くは国宝に指定されている。ササン朝ペルシャのガラス碗の破片なども出土している。このように古代史への夢を限りなくかきたてられる宗像大社なのだ。

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鐘崎漁港を出発
地島と筑前大島(左)が見える


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さつき松原の長い砂浜がつづく
宗像大社の鳥居


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宗像大社の拝殿
宗像大社の本殿


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